1年次から取り組んできた、みんな一緒に食べられる “あったらいいな” を叶えるための、8 大アレルゲン不使用のプラントベースアイスの産学連携プロジェクト。イベントでの販売を通じて感じた、必要な人にアイスを届けることの難しさ。2年生になり、一般販売で多くの人にアイスを届けることを目標に「ことちゃんのアイス」の販売促進プロジェクトを行った、愛知文教女子短期大学 生活文化学科 生活文化専攻の2年生の卒業研究の取組みを紹介します。
活動の流れ
昨年、試食アンケートやイベント販売を行うことで、3 つの課題を見つけることができました。
①アレルギー対応食とすると「美味しくない」「私には関係ない」という偏見がある。
②プラントベースの認知度が低い。
③イベント販売だけでは、良い商品と感じても手に入る場所がない。
そこで、私たちは、環境に配慮したプラントベース食品開発で、SDGsの実践をすすめると共に、アレルギーの有無や年齢、宗教、思想に関係なく食べることができる “みんないっしょのおいしい笑顔” の実現ため、一般販売で多くの人にアイスを届けることを目標にイベント活動、一般販売に向けての活動、広報活動を行いました。
イベント活動で商品コンセプトを再確認
4月に共同開発をしている、太田油脂株式会社のサンクスフェスタ、5月に小牧産業フェスタにブース参加し、ことちゃんのアイスの販売を行いました。
イベントで再確認したアピールポイントをまとめ直し、おいしそうに見える写真の撮り方、アイスの特徴などの内容が分かりやすいレイアウトなどを工夫し、商品をわかりやすく魅力的に伝えるポスターを作成しました。アピールポイントを4つに絞り、環境にも人にも優しく、多くの人にとっての健康食であることを強調たポスターができたことで、展示会でも説明がしやすくなり、プラントベース食品の認知度も上がりました。
もっとたくさんの人に届けるために
イベントを通して、多くの人にこのアイスを届けるためには、イベント以外でも販売できる機会が必要だと考え、「食べる」と「買う」というシーンを考え、2つのグループに分かれて活動をすることにしました。
「食べる」シーンは、おとうふ工房いしかわのにアイスを使用したカフェメニューの提案を行い、レストラン等で扱っていただくことを考えました。
「買う」シーンは、名古屋駅にある名鉄商店にアプローチをし、店舗での販売に向けた売り込みをすることを考えました。
「食べる」シーンを想定し、ヘルシー感とインスタ映えする見た目を意識した3つのメニューを試作、学内アンケートでニーズを確認し、企画書を作成しました。おとうふ工房いしかわ本社へ行き、
いしかわ社長に、カフェメニューの提案プレゼンテーションを行いましたが、実現することができず。今後の課題としてメニューにオリジナリティがない、誰をターゲットにするか・アンケートを取るときのコツなどの商品開発に向けてアドバイスをいただき、私たちの成長につながることが出来ました。
「買う」シーンは、より多くの一般の方に手に取っていただきたいと考え、名古屋駅で地域のお土産を扱う名鉄商店にお願いすることにしました。アイスの特徴やアピールポイントをまとめ、企画書を作成しました。資料が完成したところで、名鉄商店に電話をし、説明する機会をいただきました。実際に商品も食べていただき、店長から前向きに検討したいというお言葉をいただきました。
その後、おとうふ工房いしかわの石川社長と一緒に、商談を重ねて 10 月から店舗においていただけることになりました。
名鉄商店での商品展開については、後編へ続く〜(記事上部、右ボタンをクリック)
「ことちゃんとうふアイス」
名鉄商店と取引を始めるにあたり、いままで販売してきた「ことちゃんのアイス」ではなく、おとうふ工房いしかわで製造したアイスを販売することになりました。
それに伴い、とうふでできていることが分かるようにお豆腐のパッケージにアイスのカップを入れ、高級感を出すとパッケージにリニューアルし、プレーンと抹茶の味に変更した「ことちゃんとうふアイス」が誕生しました。販売に向けて、写真を撮り直し新しいアイスのリーフレットも作成しました。
10月1日から、名鉄商店のSDGsフェアにあわせて「ことちゃんとうふアイス」の販売が始まりました。店舗だけはなく、ネットでの取り扱いも始まりました。
もっと届け『ことちゃんとうふアイス』
販売促進活動として、名鉄商店での試食イベント、SDGs AICHI EXPO2023など展示会でのPR、メディアリリースを行いました。
名鉄商店での試食イベント
10月から12月で3回にわたり、店頭にて開催しました。声掛けでは特に「おとうふ」、「乳・卵を使用していない」といった言葉を使い、より多くの人にアイスを知ってもらえるような呼びかけを心がけました。試食していただいた方から直接「おいしい」という言葉を聞けたり、購入してくださる方もいたり、とても嬉しかったです。試食イベントを行ったことで、実際にアイスの売上が伸びたことを知り、初めて名古屋駅という大きな場所でのイベントに苦戦もしましたが、良い結果を残せてとてもいい経験になったと感じました。
展示会でのPR
昨年度、ことちゃんのアイスの試食提供を行った、SDGsAICHIEXPOで、今年度は「ことちゃんとうふアイス」の販売を行いました。
昨年度のイベントで試食をしていただいた方もたくさん来てくださり、「商品化できたのね!」と一緒に喜んでいただけました。
同時期に「アピタタウン稲沢」で行われた消費生活展に参加しました。クイズラリーが行われ、お客様とともに楽しみながら、アイスの紹介をすることができました。稲沢市長様もきてくださり、アイスの宣伝に協力してくださいました。
SNSや新聞での広報活動
本学と名鉄商店のInstagram·TikTokのアカウントでは、アイスの紹介だけでなくイベント当日にストーリーの投稿も行いました。
新聞社や放送局などへのメディアリリースも行いました。その結果、スライドにある3つの新聞社に掲載していただくことができました。
中日新聞では大々的に扱っていただき、新聞を見て試食イベントに来て下さる方もいらっしゃり、新聞の影響力を実感しました。
たくさんの人に届けたいという思いから、新聞や放送局にメディアリリースを行いました。3社から新聞取材をうけ、記事が掲載されました。社会的ニーズも高く認知度アップにつなげることが出来ました。
11/10(金)日本食糧新聞 「カラダに優しいPBF」
11/23(木)朝日新聞 「一緒に食べよう「とうふアイス」」
11/30(木)中日新聞尾張版・12/2(土)中日新聞市民版
「植物由来アイス安心で美味」「名古屋で発売 来月2日、試食会も」
「ことちゃんとうふアイス」のこれから
私たちは、認知度アップや店舗販売での取り扱いを目標として活動してきました。今回、おとうふ工房いしかわのみなさま、名鉄商店のみなさまのご協力で、私たちが大切にしてきた”みんないっしょにみんな笑顔に”という想いが詰まった「ことちゃんとうふアイス」の一般販売をすることができました。イベントでは多くの方から応援していただきありがとうございました。
たくさんの想いの詰まった「ことちゃんとうふアイス」をこれからもより多くの人に、必要としている人に届けていけたらと思います。そして、環境や健康、アレルギーに対応した食品が、もっとたくさん世の中に増えていくことを願っています。