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卒業研究中間報告:ぱりまるパッケージリニューアルに挑戦中!

卒業研究

1年次から取り組んできた、産学連携商品「ぱりまる」のパッケージデザインのリニューアル。現在、卒業研究の一環として、引き続きこのプロジェクトに取り組んでいます。「ぱりまる」は、アレルゲンフリーのお菓子として、産学福連携により誕生しました。製造・販売を担うのは、授産所 高浜安立さん。これまでは主に簡易な透明袋にラベルを貼る形のパッケージでしたが、販売先や購入層を広げていきたいと「もっとスタイリッシュなパッケージにできないか」とご相談をいただきました。そこで私たちは、1年次の授業からこの課題に向き合い、商品コンセプトやターゲット層、販売シーンなどを整理。複数のパッケージ案を作成し、授産所高浜安立さんとの意見交換を重ねてきました。

■授産所の方からの要望
【パッケージ袋】
・正方形・チャックなし・安価・透けているもしくは商品が一部見えている・スタイリッシュ
【ラベルシール】
・ラベルの形は正円もしくは正方形 ・「ぱりまる」のロゴはそのまま

■Webカタログでスタイリッシュなパッケージ袋探し

スタイリッシュなパッケージを目指すにあたり、まずはさまざまなデザインの傾向やトレンドを知ることから始めました。食品やギフト商品のWebカタログを参考にしながら、色使いやフォント、素材感などを研究し、「ぱりまる」の持つやさしさや安心感が伝わるような温かみのあるデザインにできないか考えました。また、同時にギフトとしても選ばれるようなデザインも目指し、パッケージの形状や透明窓の有無なども検討しました。

ぱりまるのイメージに合う袋を一人ひとりがリサーチして提案し、「透明部分の面積はどれくらいがよいか」「和柄があると親しみやすいか」など、見た目の印象やターゲット層を意識した意見交換が活発に行われました。中でも難しかったのは、正方形の大袋を探すこと。市場には少なく、あっても高価なものが多いため、コストとのバランスも考えながら選ぶ必要があり、思った以上に苦戦しました。それでも、「ぱりまるらしさ」を大切にしながら、見栄えのするパッケージで手に取ってもらいやすくしたいという思いを込めて、試行錯誤を重ねてきました。

もとの透明の大袋に市松柄の台紙を挟むのはどうかという案も出ました。

■自分たちが買い手の立場に。大袋から個包装への提案の変更
自分たちが欲しい、誰かにプレゼントしたいと思うデザインは何か、ロットや金額を重視しながらもう一度Webサイトで探しました。そこで私たちは、普段個包装の商品を手にすることが多く、それは食べ切れる量で持ち運びもしやすいからという事に気が付きました。そして大袋から個包装にすることで試しやすくて手に取ってもらいやすいのではないか、シェアやギフトにもぴったりのサイズになるのではないかという方向性に決まっていきました。 これまでWebカタログやサイトで要望に合ったものを探すことに必死でしたが、買い手の立場になって考えることが大切だと改めて気が付きました。

■「ぱりまる」に合った個包装探し
いろいろなサイトを比較し、なるべく安価な個包装を探し始めました。一人ひとりが良いと思ったデザインをサンプルで取り寄せ、実際にぱりまるを入れた状態を手にしながら、これだと多くて袋のサイズが合っていないのではないか、これだと量が少なすぎてあまり入っていないと思われるのではないかなどと話し合いました。

話し合いの結果、マット柄とドット柄の二案に絞られました。

ラベルデザインに苦戦
パッケージ袋と並行してラベルシールも検討しました。

授産所高浜安立さんからのご要望により、「ぱりまる」のフォントはそのまま使用することが決まっていました。その上で、ぱりまるのやさしい雰囲気や安心感を伝えられるよう、各自がフォントカラーを考案しました。フォントカラーは、商品の第一印象を決める大事な要素。シンプルすぎても目立たず、派手すぎても商品のイメージと合わない…。「ぱりまるらしさ」がにじむ絶妙な色合いを探すのに苦戦しました。また、キャラクターの表情についても、今の時代に合った、親しみやすくやさしい印象になるよう試行錯誤しました。ラベルのフチも、もともとの四角型から丸型にすることでデザイン全体に統一感が出るのではというアイデアが出るなど、細部にまでこだわりました。味の表示位置や文字の太さなども一つひとつ検討し、納得のいくまで調整を重ねました。

実際に印刷をして、見比べる作業も行いました。サイズは適しているか、パッケージ袋とのバランスはどうか、色味は馴染んでいるかなどを一つひとつ丁寧に確認し、フォントカラーをそのままにしたバージョンや、シール全体のカラーが一色でまとまったバージョンなど、いくつかのパターンを作成しました。商品を手に取ったとき、思わず「かわいい」「おいしそう」と感じてもらえるようなラベルを目指しました。

授産所高浜安立さんへの提案は、後半へ続く~(記事上部、右ボタンをクリック)

■授産所の方へ送る資料作り
提案する内容が固まったところで、私たちは、「ぱりまる」の新しいパッケージデザインを授産所高浜安立さんに提案するための準備を始めました。会議に向けて、私たちが考案した2つのデザイン案を分かりやすく伝えるための資料を作成しました。まず、どんな内容が必要かを全員で書き出し、伝える順番を検討。役割分担をして作業を進め、完成後は全体で共有しながら、「もっとこう言い換えた方が伝わりやすいのでは?」「写真や表を加えた方がいいかも」といった意見を出し合い、何度も修正を重ねました。全員で協力して“伝える力”を磨く、貴重な時間となりました。完成した提案書とサンプルを会議の前に授産所高浜安立さんに送ったり、説明する練習をしたりと、zoom会議の準備をすすめました。

■授産所高浜安立さんとのzoom会議
いよいよ迎えたZoom会議では、二案に絞った経緯や、それぞれのデザインの魅力を具体的に説明しました。初めてのオンライン会議で緊張しましたが、準備した資料を使いながら、笑顔で自信を持ってプレゼンすることができました。

授産所の方からは、「マット柄もドット柄もぱりまるに合っていて良いと思う」「フォントカラーは今のままが安心感があるかも」といった温かいご意見をいただきました。その結果、マット柄の小袋でリニューアルを進めていく方向で話がまとまりました。今回のやり取りを通して、ただ見た目を変えるだけではなく、「ぱりまる」のこれまでの雰囲気や、食べる人の安心感にも気を配ることの大切さを実感しました。

■パッケージ会社との打ち合わせ
考案した二案に加えて、似た素材のパッケージ袋や見積もりを用意していただき、実際に素材を手に取って確認しながら話し合いを進めていきました。

素材やロットの違いなどを直接教えていただいたことで、このパッケージだと安い価格に抑えられるのではないか、こっちの素材の方が高級感がありぱりまるの味とマッチしているのではないかなどと意見を固めることができました。

■考案したものが形に!

私たちが考案したパッケージデザインです。

英語表記を入れることで外国人の方も読めるようにと工夫しました。現在、授産所の方に送り、検討していただいています。

■卒業研究前期を振り返って
先輩方が大切に受け継いできた「ぱりまる」に私たちも携わることができ、嬉しく思います。この授業を通して、連携の難しさと大切を学び、やりがいを感じています。様々な条件を理解し守りながらチームで進めていくことを経験し、課題解決力や対応力といったスキルを身につけることができました。常にこの商品がもっと多くの人のもとに届いてほしいという思いで取り組んできました。今の時代に合ったデザインにできたかと思いますし、秋には販売できると嬉しいなと考えています。ぱりまるが様々な場所で置いていただけることを目指して、後期も頑張っていきます。夢が広がるばかりです!

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