前回、渡辺先生にインタビューした際、紹介していただいた本学の教授
生活文化学科 食物栄養専攻 有尾正子先生にインタビューしました!【前編】
学生:実習ではどんなことをしていますか?
有尾:1年生の後期に食物アレルギー演習という本学独自の科目があり、
小麦乳、卵、乳を使用しない料理、お菓子を作っています。
2年生になると、食物アレルギーのパーティー
(みんないっしょのクリスマス)で学生自身がメニューを考えています。
学生:へ~そうなんですね!
有尾:クリスマスパーティーが終わった後、参加してくれた子からお手紙が届くこともあるんです。
これなんですけど...
↑クリスマスに来てくれた子どもたちが先生や学生さんにあてたお礼の手紙
学生:え~すごい! こんなお手紙もらったらめちゃくちゃ感動しますね。
有尾:思わず泣いちゃいました(笑)。
さらに、学生が開発したメニューを教員が試作をしています。給食管理実習という大量調理の授業の際に、
食物アレルギーの食事を大量に作れるかの実習をしています。
学生:でも大量に作るのって大変じゃないですか?
有尾:大量に料理を作るのはとても難しいですよ~。栄養士1人で大体100食くらい作るんです。
学生:100食も作るんですか!?
有尾:はい(笑)。あと、単一献立(一種類のみの定食)はそこまで難しいことはないけど、複数献立(選べる定食)
とかになると、アレルギー対応が必要な場合は難しくなるんです。
学生:なるほど~。もしかしてそれ、私たちも食べれたりしますか?
有尾:食べれますよ!金曜日に食物栄養専攻の生徒が調理した料理を学内でのみ振舞ってます。
1食500円なので、ぜひ食べてみてください。
学生:絶対食べます!!
有尾:学生の子も喜ぶと思うよ~。先生たちも食べに来てるし。
学生:教えていただいてありがとうございます!
学生:続いての質問ですが、学生さんはどんな献立を作ってるんですか?
有尾:小麦、乳、卵を使わないことを大前提に作っています。献立は主菜、副菜、デザートのどれでも
OKです。学校給食で使えるようなれレシピを考えます。
2年前のレシピコンテストでは、調理師の免許が取れる短期大学と連携して、賞状を受賞したん
ですよ。審査員の評価がとても良かったです。ですが、本選はコロナで中止になったんです...。
学生:それはショックですね...。
学生:そういえば、渡辺先生から食育に関する劇をやったと聞いたのですが、どういったことを行ったんですか?
有尾:食育実践演習という授業の一環です。ベジレンジャーとかですね。(笑)野菜戦隊なんですけど、
口コミで広がって、稲沢市の色んな小学校から依頼が来たんです。
大人気ですよ。学生たちはコスチュームを着て劇をやって、食育について小学生に教えていました。
学生:まじですか! 面白そう~見てみたかったです。
有尾:あと、個人的に声をかけられて保育所にも行きましたね。保育指針の中に食育はあるんですけど、
保育士さんだけでは難しいとこもあるので。
学生:へー。どんなことをしたんですか?
有尾:未就園児さんたちのお母さんを相手に講和をしました。離乳食の作り方を教えたり、火を使わない
お菓子の作り方を教えたりしていました。
学生:アレルギーの対応だけじゃなくて、食育についても学んでいくんですね!
有尾:そうですね。食育とアレルギーを切り離してはいけないっていう。アレルギーのお子さんがいる中で
食育をやるにはどうしていくかを考える必要があります。
アレルギーの法律でも、国民が責任をもって守らなきゃいけないっていうのが決まっているので。
学生:そうなんですね。
有尾:保育の中で食育をやる、なおかつアレルギーにも対応することはすごい難しいんです。
けど、アレルギーだと気負って作らなくても、対応できるものを見極めることが大切です。
学生:わかりました!気負わず、何がだめで何がいいかを判断しながら、適切な対応をしていきたいと思います!
本日はありがとうございました。
後編に続く
前回、渡辺先生にインタビューした際、紹介していただいた本学の教授
生活文化学科 食物栄養専攻 有尾正子先生にインタビューしました!【後編】
・食物アレルギーは、ならないようにしたり、治療したりすることができる!
食物アレルギーは治る子もいます。治療としては、学童期に少しずつ食べさせ、慣らしていくという方法があります。
量としては、最初は米粒くらいの大きさから始め、じわじわ量を増やしていきます。
途中でアレルギー症状が出てしまった場合は、また最初の量から始めていきます。
大人になっても突然アレルギーになる可能性があります。
大人のアレルギーについては、甲殻類アレルギーが多いです。また、小麦アレルギーになる人もいます。
アレルギー検査にはたくさんの種類があります。ですが、そのどれもで同じ結果が出るわけではありません。
そのため、検査で診断されたとしても、アレルギーと一概には言えません。
アレルギーが発症しないよう気をつけることも大切ですが、慎重になりすぎて、アレルギー反応が出る
食品を一切食べさせないというのも良くありません。
「食べさせない」、「避ける」という処置もありますが、今は「食べられるなら食べさせる」という時代です。
上記のように少量ずつ摂取させていけば治る場合もあるので、気をつける必要はあっても過剰になりすぎる必要はないのです。