「まずやってみる」何事も学びと経験。実際に経験して気づくことはたくさんあります。新たな挑戦は、不安もたくさんありますが、得られたことは全て自分の財産になります。生活文化専攻では、1年次から産学連携のプロジェクトを授業で取り組んでいます。今年度は、2010年に産学連携商品として誕生した「ぱりまる」をもっと多くの人に届けるために、さまざまなプロジェクトを行いました。
4月末、製造販売を行っている授産所高浜安立に訪問し、「ぱりまる」の想いを理解することから始まりました。所長から福祉施設の日常、就労継続支援B型作業所の工賃のお話などを聞いた後、工場見学をしました。食品工場に入る前に、念入りな髪の毛やほこりのチェック、手洗い消毒の徹底など衛生管理を体験。製造時は厚手の青手袋を使用する理由や作業の工夫など、実際に訪問することでわかることがたくさんありました。授産所の方の想いも背負いながら今後取り組んでいこうと身が引き締まった時間でした。
5月末には、「こまき産業フェスタ」にブース参加し、“みんないっしょ”を届けたいという思いが詰まった産学連携で開発したプラントベース商品「ことちゃんとうふアイス」と「ぱりまる」の販売をしました。どう声かけしたら良いか、どう説明したら興味を持ってもらえるか、ドキドキしながらも、実践を通じて大きく成長できた経験でした。
6月には、江南市制70周年記念パッケージの製作を行いました。個人でデザインを手書きで考案し、それを3グループに分かれてデザイン検討をしました。グループは毎回シャッフルし、手書きデザインをデータ化したものをもとにグループで意見を固めてから全体の話し合いに移りました。段階を踏んで話し合いを行ったことで、意見を整理しながら進めていくことができました。この江南市バージョンは、市制70周年記念コラボ商品デジタルカタログに掲載されています。江南市のHPに掲載されたことによって、みんなで作り上げたものが、実際に商品になったんだと実感が湧いてきて、次のプロジェクトは、もっと頑張ろうと思えるようになりました。また、このパッケージのおかげで、大量購入していただくこともでき、オリジナルパッケージにしたことによって、販路拡大、売り上げ向上、授産所の工賃アップにつながることができました。
次に取り組んだのは、現状のパッケージのリニューアルです。授産所高浜安立から、一般販売のターゲットを広げるためにスタリッシュにして店舗で立てて置けるようなパッケージにできないかと依頼を受け、私たちは2つのグループに分かれ、企画案に作成に取り組みました。デザインの方向性が決まったところで、SDGs AICHI EXPOでブース出展した際にパッケージについて教えていただいたホンダロジコムの方に、フクイ商会を紹介していただき、パッケージの打ち合わせを行いました。
事前にサンプルや企画書を事前に送っていたので、打合せ当日は、色々なパッケージの袋を持ってきてもらい、安価なパッケージにする方法や、パッケージの印刷方法、デザインの考え方など、詳しく教えていただくことができました。パッケージがどうやってできているかを知る機会になりましたが、初めて企業の方との具体的な打ち合わせをしたので、緊張してあまり意見を言うことができなかったのが、反省点でした。
打ち合わせを報告書にまとめ、今後どうするかについての話し合いをしている中で、もう1社、お話を聞く機会を得ることができました。今回の打ち合わせでは、デザイナーの方にも参加していただけたので、デザインについての相談をすることもできました。できるだけコストを抑えつつ、多くの人の目を引いて、商品が手に取ってもらいやすくなるようなデザインを作るにはどうすれば良いか、具体的なアドバイスをいただくことができました。たくさんの人に手に取ってもらえるようなパッケージデザインになるよう、デザインをどうするか検討を続けています。
11月に参加したSDGs AICHI EXPOの会場では、中部三本珈琲株式会社の方とのと出会いもありました。様々な事業を展開し、SDGsに対する認識を深め事業活動を通じて国際社会への貢献をしている会社です。プラントベース商品を探しているお客様が多いことから、ぱりまるについて興味を持っていただきました。どんな形で置いていただけるか検討していただいているところですが、店頭POPなどを一緒に考えたり、これからの活動が楽しみです。
プロジェクト演習の授業を通して、様々な力が身に付きました。
1つ目は、判断力です。多くの情報を整理し、優先順位をつけて適切な選択をする必要がある場面を多く経験したことにより判断力を養うことが出来ました。
2つ目は、実行力です。目標を設定し、それに向けて一歩一歩行動し、実際にプロジェクトを遂行する中で、進捗を追い、問題に対処しながら実行力を高めていきました。
3つ目は、企画力です。みんなでアイデアを出し合い、具体的なプロジェクトに落とし込むことで企画力が鍛えられました。
4つ目は、コミュニケーション能力です。様々な人と触れ合う機会が多く、対話や意見交換を通じて自然に育まれました。相手の意見に耳を傾け、共感しながら自分の考えを伝えることを意識するようになりました。
これらのスキルは社会人になってからも求められるものです。今回のプロジェクト演習で実際の経験を通じて学んだことを活かしてこれから様々なことに取り組んで行きたいです。